透析看護師の仕事を内容とは?

透析看護師はどのような仕事をするのか?透析看護師への転身を検討している看護師ならば気になるだろう。基本としては「透析の準備から完了までの一連の業務」「透析中の患者の観察と看護ケア」「透析患者に向けた健康管理と指導」「記録業務」が挙げられる。

透析を始めるには、機器のセットや患者1人に対して必要となる物品の準備が求められる。透析前の患者に対してバイタルチェックや看護師が感じる違和がないかなどを確認する必要がある。患者に体調変化などの情報収集を行った後、バスキュラーアクセスのシャント状態を確認した上で透析を開始する。

透析は4〜5時間ほどの時間を要する。体調に変化はないか観察を定期的に行う。透析中にフットケアやスキンケアを行うクリニックも見られる。透析完了時には返血操作や抜針、患者の体調チェックを行う。生活において適切な管理が行えているかなどを確認し、都度指導することも看護師の仕事となる。

透析専門クリニックでは、1日2〜3クールで患者を受け入れる。透析時間は決まっており、業務のルーティン化ができるため、時間帯で患者の受け入れが可能だからだ。次の患者を受け入れるまで、透析機器の清掃や前準備を行うことも業務のひとつだ。また、患者の記録業務も透析看護師の仕事だ。カルテ記録や情報収集による生活状況の記載などを経て、患者の問題点を抽出する作業も並行する。看護目標を立て、看護計画を作成ながら透析看護につなげている。透析看護師のデイリー業務はこのような内容だ。

身に付けておくべきスキルや資格など

透析看護師として働く場合、腎不全や透析に関する事前知識は当然必要となる。もちろん患者への注射針穿刺は必須だ。注射そのものや血管探しが苦手という看護師は、透析看護師への転属は考え直すべきだと言える。看護師としての基本スキルの他、仕事を始めた後に磨くべきスキルのほうが多い。透析看護師になるためのスキルよりも、透析看護師として磨くべきスキルを念頭に入れたほうがよいだろう。

バスキュラーアクセスに関する知識や、透析機器の取り扱い方などは業務内で学ぶ以外にも自己研鑽の対象となる。とくに、患者の命綱ともなるバスキュラーアクセスに関する知識は、学会等に参加して知識をアップデートさせるべきだ。また災害と透析など患者の命に関わる情報についてもしっかりと学ぶことが大切である。

実務経験を重ねたあとは、よりよい透析看護を目指して大きな病院への転職も視野に入るだろう。転職を有利にするために、資格取得をおすすめしたい。業務に携わりながら取得できる資格として、透析技術認定士と慢性腎臓病療養指導看護師の資格がある。付随して日本糖尿病療養指導士の資格取得もおすすめだ。とくに透析技術認定士の資格は透析全般の知識や正しい手技ができることが認められる資格のため、透析看護師としての自身の将来性を見出すためにも取得は必須と捉えてほしい。

技術面は前提として必要だが、患者とのコミュニケーションスキルも求められる。透析患者は長時間拘束されるため、看護師と関わる時間が長くなる。信頼関係を築き少しでも病状の安定維持を目指すためにも、話術などを磨く必要があるだろう。