透析看護師として働く場合、腎不全や透析に関する事前知識は当然必要となる。もちろん患者への注射針穿刺は必須だ。注射そのものや血管探しが苦手という看護師は、透析看護師への転属は考え直すべきだと言える。看護師としての基本スキルの他、仕事を始めた後に磨くべきスキルのほうが多い。透析看護師になるためのスキルよりも、透析看護師として磨くべきスキルを念頭に入れたほうがよいだろう。
バスキュラーアクセスに関する知識や、透析機器の取り扱い方などは業務内で学ぶ以外にも自己研鑽の対象となる。とくに、患者の命綱ともなるバスキュラーアクセスに関する知識は、学会等に参加して知識をアップデートさせるべきだ。また災害と透析など患者の命に関わる情報についてもしっかりと学ぶことが大切である。
実務経験を重ねたあとは、よりよい透析看護を目指して大きな病院への転職も視野に入るだろう。転職を有利にするために、資格取得をおすすめしたい。業務に携わりながら取得できる資格として、透析技術認定士と慢性腎臓病療養指導看護師の資格がある。付随して日本糖尿病療養指導士の資格取得もおすすめだ。とくに透析技術認定士の資格は透析全般の知識や正しい手技ができることが認められる資格のため、透析看護師としての自身の将来性を見出すためにも取得は必須と捉えてほしい。
技術面は前提として必要だが、患者とのコミュニケーションスキルも求められる。透析患者は長時間拘束されるため、看護師と関わる時間が長くなる。信頼関係を築き少しでも病状の安定維持を目指すためにも、話術などを磨く必要があるだろう。